こんにちは。新潟市を中心に不登校支援の活動をしているナイチンゲールです。
こちらのページにきていただきありがとうございます。

私の息子は適応障害と母子分離不安があります。3歳から幼稚園に通うようになり、環境が変わる度に登園を行きしぶり、無理矢理登園させる日々が続いていました。泣き叫び、暴れながら登園しても、帰る頃には満面の笑み。朝だけ頑張れば何とか行けると思い込んでいました。


小学校2年生で息子が学校を行きしぶるようになった時も、私は嫌がる息子を無理矢理学校に連れて行き、いつか行けるようになるだろうと信じていました。ところがいつまで経っても状況は良くならず、このままでは不登校になってしまうとの思いから、諭したり、時には脅したりあらゆる手段を使った結果…とうとう不登校になりました。

起きない・話さない・笑わない・食べない・体にしがみつき離れない、こんな状況になるまで無理を強いてることに気づいていなかったのです。

息子は私のことが大好きです。その大好きな母に「学校に行きたくない」と伝え続けても理解してもらえなかった心の痛みは想像を絶するものだったと思います。

その後の私は何とか息子が元気を取り戻し学校に行けるようにと嫌がる息子を連れ、親子で教育センターに通い、心療内科に申し込んだものの3ヶ月待ち。待ってることができなかった私はカウンセリングを受けさせる等々…奔走しました。

今の息子は、かなり下がった自己肯定感を少しずつ取り戻し笑顔で毎日を送っています。
何が息子を変えさせたのか・・・

それは私の変化でした。

教育センターに行った時「お母さまの楽しいと感じることは何ですか?」と聞かれ、何も思いつきませんでした。私の頭の中は息子を良くしたい!それで占めていて、自分のことに目を向ける余裕はありませんでした。

その後も「ご夫婦仲はどうですか?今、苦痛だと思われていることは何ですか?」等々…私に関する質問が続き、自分が元気に幸せになるために何が必要なのか考えさせられました。
そして息子のいい所をたくさん教えてもらいました。今まで息子の性格に対して気にしていたことも逆に長所のように伝えていただき、考え方を変えたらどんなことでも長所になると気づくことができました。

声掛けの内容が変わり、そして、私が自分の幸せに向き合い笑顔で生きられるようになった時、息子にも変化が現れました。

息子のためにと奔走した教育センター・心療内科・カウンセリングも今思えば、これらが必要だったのは息子ではなく私だったのでしょう。
息子は私をがっかりさせないように無になった気力を振り絞り、真っ青な顔で吐き気と闘いながら付き合ってくれました。

あの頃の私には息子の痛みに寄り添う。この1番大事なことが抜けていたように思います。


目に見えるもものと実際の心の中は違うもの

仕事に行っている間、ゲームやYouTubeばかり見ている姿は、私をとても不安にさせました。

始めは傷ついた我が子がかわいそうで寛大な態度で接していても、長期化すればどうにかしなければ…と急に不安が増大し、私がここで何とかしなくては…と焦りました。
現実から逃げているだけでいいはずがない、ゲーム脳になったらどうしよう…と不安だらけ。

ですが、子どもはちゃんと考えていました。親を苦しめている罪悪感、将来への不安、不登校の抜け出し方…ただ目に見えないだけで苦しんでいました。

私は人に甘えるのが苦手です。
息子が不登校になった時、家族や職場に気を使わせないように「大丈夫」と言い続け1人で抱え込み、結果、携帯ゲームに依存しました。ゲームをしている間は何も考えなくていい。それは当時の私にとって心を守るために必要な時間でした。

今では娘が「ママ隠れてでもゲームしてたよね」と笑い話にしていますが…
そんな姿を子どもに見せてはいけないと頑張って隠していたつもりでしたが、子どもは気を使って見ないふりをしてくれていたのでしょう。

自分がゲームに依存して、ようやく子どもの気持ちが分かりました。ゲームに逃げる時もある。でも、それは心を守るため。そして、心が元気になれば自然と前に向かう準備ができる。そこに気づけて良かったです。

息子から学んだ大切なこと

子どもが苦しんでいる時に、私は自分の経験から得た解決策を話していました。早くこの苦しみから救ってあげたい!そう思う一心で。
結果、本人には何も響きませんでした。それどころか、この親に相談してもダメだと諦めたと思います。
子どものために良かれと思ってしてきたことが、殻に閉じこもる原因になりました。

親は子どもを良くしようと必死です。時に、私のように、空回りし悪化させてしまう場合もあるかもしれません。
でも仕方ない。だって必死なんです。
必死って「死ぬ覚悟で全力を尽くす」です。正に当時の私は自分が何とかしなくては‼との思いしかなく、自分のことも忘れて死ぬ覚悟で頑張り過ぎました。いや~苦しかった…
息子には「無理させてごめんね。気づいてあげずにごめんね」主人には「自分の育て方が悪くてごめんなさい」学校には「気を使わせてしまいすみません」職場には「ご迷惑をおかけしてすみません」ずっと謝り続けていた気がします。
今思えば「ありがとうございます」に置き換えられることばかりですが…渦中の私は謝るすべしか思いつきませんでした。

謝ってばかりの私。周囲に気を使わせないように無理に笑っている私。落ち込んでいる私。息子はそんな姿を見て自己嫌悪や罪悪感を膨らませていったと思います。私が笑顔になった時、ようやく罪悪感から解放され前を向き始めました。

大好きなママには笑っていて欲しかったよね。
そんな大切なことを息子から学んでいます。

苦しみの中で気づいたこと

いじめ問題、周囲と馴染めない、持って生まれた気質等々…不登校に至るまでに様々な要因があっても、その後、前を向けるかどうかは家庭の環境が大きく影響されるということ。

子どもの不登校には子どもだけでなく、同時に家族のケアが必要不可欠です。
ですが、渦中の時は自分も救われなければいけない存在だということに気づくことは困難でした。

息子は4月からフリースクールに通っています。そこで素晴らしい先生と出会い、自分が子どもの時から大事にしていた常識がガラガラと音を立てて壊れました。今まで学校にこだわっていたのは自分だと気づきました。

子どもには自分より幸せになって欲しいと願ってきました。自分が想像できない世界は恐怖です。そんな恐怖世界から新しい価値観を与えてもらったフリースクール。慈愛に満ちた先生の存在は息子の「生きていて良かった」と希望に変わりました。

型にはまらなくていい、無理しなくていい、自分で選択する自由。色々なことを息子はもちろん、私自身も気づいたことで生きることがとても楽になりました。

息子の不登校の先にあった世界…それは豊かで暖かい世界でした。不登校の親になり、世界を広げてくれた息子に感謝しています。
想像していない世界ウエルカム。どんな風に息子が育っていくか楽しみしかありません。

そして、私の気持ちが変化した時、息子も元気になりました。フリースクールの帰りの車の中で「明日はフリースクール休みだから学校に行く」と。今は行きたい日には学校へ…と自由に選択しています。なんと贅沢な環境でしょう。

素敵な出会いで

息子が不登校になった時「学校に行かなくて大丈夫だよ」と励ましの言葉を何度かかけていただきました。当時の私には、どうやったらそう思えるようになるのか見当もつきませんでした。ただ、子どものためにそう思わなくてはいけないのだろう…と思い毎日過ごしてきました。

息子のために、たくさんの情報を得て動き出さなくては…と思ってはいましたが、その一歩を踏み出す勇気がなかなか持てずにいました。そして、そこに向かう気力も足りていませんでした。

親子で通う教育センターは週に1度しか利用できません。母子分離不安のある息子は私と一緒でなければ行動できませんでしたが、教育センターの他に一緒に行ける場所がわかりませんでした。
どこに頼れば情報が得られるのか見当もつかず、区役所に行けば何とか調べてもらえるかな…と藁にも縋る思いで相談し、親子で通えるフリースクールを探していただきました。

そして、ようやく自分たちの居場所を見つけることができました。
過ぎてしまえば子どもを理解するのに必要な時間だと納得はしていますが、色々な情報をもっと早く知っていればあんなに息子を苦しませることはなかったと思うのです。

その学びから、多くの人が気軽に情報収集できる場所が作れたら…と思うようになりました。
フリースクールは我が家にとても有効なものでしたが、抵抗がある方もいらっしゃると思います。そして、経済的負担もあり全ての方に有効とは言い切れません。

他にも様々な機関があります。援助活動もあります。ただ、自分で調べるには限界があります。
100人いれば100通り。各家庭の環境、お子さまの状況に合わせて一緒に考えるお手伝いをさせていただきます。
私が苦しかったのは出口が見えない苦しさからでした。その先が見えることで少しでも不安を軽減できれば、苦しんでいる家族の力になれるのでは…そう思っています。

幼い頃から夢がなく、流されるように生きてきた私に生まれて初めて夢ができました。

『人と人を紡ぎ未来に光を照らすこと』

私に夢を与えてくれたのは一緒に悩み、苦しんだ息子の存在でした。
息子が紡いでくれた縁は、暖かく、心がじんわりとほぐされて不器用だった私を救ってくれました。

親が子どもを思うように、子どもも家族のことをとても大切に思っています。お互いがお互いを想う。それはとても美しくもあり、時には苦しくもあり…近いからこそ親子の距離感は難しくなることもあります。第三者が入ることで違う視点から見えることもあります。
一緒に自分が居心地がいいと思える場所を見つけてみませんか。

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