HSCについて


HSCという言葉をご存知ですか?
HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)とは、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン氏が提唱した「人一倍敏感な子ども」という意味です。

生まれつきとても敏感で繊細な感覚や感受性を持った子どものことで、5人に1人の割合で存在すると言われています。子どもの性質であって、治療が必要な病気ではありません。
精神医学の病名ではないため、心療内科に受診しても医師の口から耳にすることはないかと思います。

HSCの子どもにとって、大勢の人が集まる空間にいることはそれだけで大きなストレスになることもあります。
共感性が強いので、他の子が𠮟られているだけで苦痛を感じたり、みんなのテンションについて行けず、心に負担がかかり不登校の原因になってしまうこともあります。

育てにくさを感じている中には、このような子どもの気質が影響していることもあります。

※発達障害でおこる「過敏さ」とHSPの「敏感さ」には共通点が指摘されています。
 実は発達障害だったという場合などは対処の方向を間違えることになります。
保育園や学校でHSCのことを伝えられないのは、この難しさがあるからだと思います。
「うちの子はHSCだったんだわ」ではなく可能性があると捉え多方面から考えてくださいね。

HSCの4つの特徴「DOES」

D(プロセスの処理が早い)

少しの情報から多くのことを察したり、周囲の空気を敏感に察知したりする能力のこと。
先々のことまで考えを巡らせてしまうため、間違いをおそれ慎重になりやすい傾向があります。

O(刺激を強く受けやすい)

受ける刺激がHSCでない人より強いです。暑さや寒さといった環境の変化に弱く、痛みも感じやすいです。音や臭い、肌触りなどにも敏感で、チクチクした肌触りの服などが苦手です。刺激が多い所ではすぐに疲れてしまいます。

E(感情的な反応が強い)

ポジティブな感情、ネガティブな感情の両方に強く反応します。HSCの子どもは怒られているのが他の子であったとしても、自分が怒られているように感じてしまいます。

S(微妙な刺激に対し共感と敏感さを持つ)

他人の機嫌の機微を察することができます。また、他人の髪形やちょっとした環境の変化などにも気付きます。

HSCチェックリスト(23個)


1.すぐにビクッとする
2.服の生地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
3.驚かされるのが苦手である
4.しつけは強い罰よりも、優しい注意の方が効果がある
5.親の心を読む
6.年齢の割に難しい言葉を使う
7.いつもと違う臭いに気づく
8.ユーモアのセンスがある
9.直感に優れている
10.興奮した後はなかなか寝付けない
11.大きな変化にあまり適応できない
12.たくさんのことを質問する
13.服がぬれたり、砂がついたりすると着替えたがる
14.完璧主義である
15.誰かがつらい思いをしていることに気づく
16.静かに遊ぶのを
17.考えさせられる深い質問をする
18.痛みに敏感である
19.うるさい場所を嫌がる
20.細かいこと(物の移動・人の外見の変化など)に気づく
21.石橋を叩いて渡る
22.人前で発表する時には、知っている人だけの方がうまくいく
23.物事を深く考える

13個以上あれば、おそらくHSCと言われています。たとえ1つか2つでも、その度合いが極端に強ければHSCの可能性があります。13個以上はあくまでも目安です。

HSCの子どもは繊細なので傷ついたり疲れたりして、わがままと誤解されることもありますが、理解してあげることが大切です。

当時の私は、まだまだ小さい息子が私より深く物事を理解しようとし、そして様々な要因と闘っているなんて想像もしていませんでした。

私の声掛け失敗だらけ…

CASE1:
決めるのに時間がかかる息子。後ろには次を待ってる家族が…
【私】早く決めて!後ろに他の人が待ってるでしょ。もうこれでいいよ。
後ろの家族に「待たせてごめんね」そして、なかば強引に決めその場を離れる
→はい、もちろん大泣き。そして癇癪…
今だったら待ってる後ろの家族に「待たせてごめんね」ではなく「待ってくれてありがとう」だったな…って思います。
言葉を1つ変えるだけで、ポジティブなメッセージになりますね。
思いやり溢れる世界になれたらいいですね。

CASE2:
【息子】服に水がついた~。(コップの水がほんの少しついて大泣き)
【私】そのくらい、すぐに乾くでしょ。(納得せずに泣き止まない)も~、そんなに泣くなら着替えればいいでしょ。っていうかそのくらいでなんで泣くの?

CASE3:
【息子】靴下の縫い目が嫌だ。この服チクチクする
【私】こんな小さいこと気にしてないで早く着替えれて!もう、せっかく買ってきたのに~(かなりイライラしています)

CASE4:
【息子】この食べ物なんかやだ(以前食べていたものでも食感などの違いで食べれなくなります)
【私】作った私のことも考えて少しは食べてよ~(偏食の息子のためだけに作っているのでかなり怒ってます)
まだまだあります。
これが我が家の日常でした。
もちろん、何事もなく過ぎる日もありましたが…

甘やかしたらわがままになる
他の人の気持ちを分かって気遣いのできる子になって欲しい
小さなことを気にしてないでもっと強くなって欲しい
好き嫌いが多すぎて、母が甘やかしているからだと思われたら恥ずかしい
以前の私はこんな風に思っていました。
厳しくすることで成長と共に強くなってくれると信じていました。

確かに大きくなることで服に多少の水がついても泣かなくなりましたし、経験から平気になったこともあります。
でも、その間に母に理解されないことで自己肯定感はどんどん下がっていきました。

HSCの子どもは、人の気持ちを察知し共感する力があります。
母が作ったものを残したら私ががっかりすることも、みんなが順番を待っているので早く決めた方がいい状態も、深く理解しているけど、周りの期待通りにできないのでさらに苦しんでいるのです。

HSCの子どもは自己肯定感を持ちにくい傾向があります。HSCの子どもに寄り添うことで、周囲から「甘やかしすぎだ」「躾がなってない」といった形で保護者が避難されることもあります。そのため、HSCの子どもを育ててていると保護者の自己肯定感も下がっていることも珍しくありません。
育てにくさを感じている方、ご自身の子育てに悩んでいる方
子育ての仕方が悪かった訳ではなく、その子の特性に合った子育てを知らなかっただけです。お子さまも皆さまも十分頑張っています。

HSCの子どもは人の気持ちに寄り添える素敵な能力を持っています。
この深い優しさが生まれつき備わっているって凄いと思いませんか?
長所である特性を、たくさん見つけてみませんか?
褒め方のコツをつかむと今まで見えていなかった世界が広がります!それと共に子どもも安心してのびのびと大きな世界に踏み出せます。

自分の感情が先にくることも、余裕がなくてついあたってしまうこともあります。
私も未だにトライアルアンドエラーです。息子からたくさん学んでいます。
褒めるコツが分からない…という方、コツ探し一緒にしてみませんか?
ついイライラして怒ってしまった…という方、悩みを思いっきり外に吐き出しませんか?

1人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。